大学発ディープテックが生み出す次世代イノベーション
- 20/03/2026
人工知能、ロボティクス、バイオテクノロジーなどの「ディープテック」分野では、大学研究から生まれるスタートアップが世界のイノベーションを牽引しています。シンガポール国立大学(National University of Singapore、以下NUS)の起業活動の中核を担うNUS Enterprise(NUSエンタープライズ)は、研究成果を事業化し、グローバル市場へ展開するディープテックスタートアップの育成に力を入れています。大学研究と起業家精神を結びつけるこの取り組みは、アジアのイノベーションエコシステムの中核的な役割を担っています。
大学研究から生まれるディープテックは、長年の基礎研究や高度な技術知識に基づいているため、競争優位性が高く、次世代産業の創出につながる可能性を秘めています。
NUSでは、研究成果をスタートアップとして事業化するための支援体制が整備されており、Technology Transfer and Innovation(TTI)を中心に研究成果の知財管理やライセンス、起業支援が行われています。過去数年間で、NUSからは100社以上の技術系スピンオフ企業が生まれており、大学研究の社会実装が着実に進んでいます。
また、NUSと南洋理工大学(NTU)などが連携して実施するNational GRIP(Graduate Research Innovation Programme)は、研究者や大学院生が自らの研究を基にスタートアップを創業することを支援するプログラムです。これまでに400以上のスタートアップチームが育成され、約160社のスピンオフ企業が誕生しています。プログラムでは、メンタリング、資金支援、事業開発支援などを提供し、研究成果を市場へと橋渡しすることを目的としています。
さらにNUS Enterpriseは、シンガポール・サイエンスパーク内にディープテックの拠点を整備し、研究者、スタートアップ、企業、投資家が集まるコミュニティを形成しています。この拠点では、食品・農業技術、ヘルステック、サステナビリティ、IoTなどの分野でスタートアップが研究成果を実用化し、産業界との連携を進めています。
こうした取り組みにより、NUS Enterpriseはシンガポールをディープテックスタートアップの国際的な拠点とすることを目指しています。大学研究、起業家、投資家、企業が連携することで、研究成果が新しい産業として社会に実装されるエコシステムが形成されつつあります。
日本との関係
日本企業にとって、大学発ディープテックスタートアップとの連携は、新しいイノベーションを生み出す重要な機会となります。
大学研究を基盤とするスタートアップは、AI、先端材料、医療技術など、日本企業の研究開発と相補的な技術を持つ場合が多く、共同研究や投資、事業提携などの形で新しいビジネス機会を生み出す可能性があります。
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