NUS PhD Discovery Programme 2026 ― ラボを飛び出し、世界へ。Beyond the Lab. Into the World.

26/06/2026

日本全国の大学院生・研究者が、シンガポール国立大学(NUS)のキャンパスで3週間の起業家育成プログラムに挑んだ。研究者からスタートアップ創業者へ――そのマインドシフトの記録。

NUS PhD Discovery Programmeとは

NUS PhD Discovery Programmeは、NUS Enterprise(シンガポール国立大学)とGRIP Japan(Graduate Research Innovation Programme)が連携して実施する、博士課程学生・研究者向けの起業家精神育成プログラムです。2026年2月〜3月にシンガポールで3週間にわたって開催されました。九州、中国・四国、関西、東北など日本各地の大学から参加者が集まり、所属大学を超えてつながるピアネットワークを広げる貴重な機会でもありました。

 

プログラムのテーマは「Beyond the Lab. Into the World.(ラボを超えて、世界へ)」。研究者としてのキャリアを歩んできた参加者が、自分の研究を社会課題の解決策として実用化できるかを問い直す場です。単なる講義ではなく、実際の顧客へのインタビューや、VCへのピッチ、スタートアップ創業者との対話を通じて、リアルなアントレプレナーシップを体感します。

NUS Enterprise前に集まった参加者とプログラムチーム

3週間のプログラム構成

プログラムは「刺激と装備 → 適応と検証 → 実装と洗練」の3フェーズで構成され、個人プロジェクトとチームプロジェクトを並行して進める「デュアルトラック学習モデル」が採用されました。

Week 1

Stimulate & Equip 

起業家マインドセットの醸成、スタートアップ創業者との対話、ビジネスフレームワークの講義・ワークショップ(バリュープロポジションキャンバス、Problem-Solution Fitなど)

Week 2

Adapt & Validate

顧客・業界専門家へのDeep Diveインタビュー、ビジネスモデルの検証と精緻化、ピッチデッキ制作

Week 3

Implement & Refine

インサイトの実装、ピッチの反復練習、最終ピッチ

カリキュラムの6つのモジュール

📚 講義(Lectures)

ビジネスフレームワークと戦略を集中的に学ぶ教室セッション

🛠 ワークショップ

フレームワークをその場で適用する演習型セッション

🎤 Deep Diveインタビュー

顧客・業界専門家への直接インタビューで仮説を検証

💬 Deep Dive共有セッション

精緻化したベンチャープランをインストラクターに発表してフィードバックを受ける

🚀 創業者シェアリング

博士課程出身のスタートアップ創業者が本音のチャレンジと成功体験を共有

🤝 ネットワーキング

メンター・業界関係者・VCとの交流イベント

ワークショップの様子インタビューセッションの様子

PhD創業者たちの生の声

プログラムでは、研究者から起業家へと転身した4名の博士号取得者が登壇。自身のスタートアップジャーニーにおける正直な葛藤と成果を語りました。また、座学や演習だけでなく、シンガポールのスタートアップエコシステムに直接触れる機会も多数用意されました。

ご協力いただいたPhD創業者の皆様

  • Dr. Shigeki Sugii, ImpacFat CEO & Founder
  • Prof. Benjamin Tee, Vice President NUS Enterprise, Serial Entrepreneuor
  • Dr. Shaun Buxani, Softlabs CEO & Founder
  • Dr. Jinho Lee, RiDM Technologies CEO & Founder

 
ご協力いただいたシンガポールのスタートアップエコシステムの皆様
  • From Bench to Business — Building Medtech Ventures That Matter:メドテック分野の専門家によるセミナー
  • From Lab to Market — The VC Perspective on Deep Tech:VCの視点からディープテックの事業化を考察
  • NUS MBAとのPitch & Connect:MBAの学生たちを前に実践ピッチを経験
  • JRE Venturesへのピッチ:VCに向けてメッセージの明確さとQ&Aを磨く

ピッチデイ

最終週には、チームピッチと個人ピッチが行われ、3週間の学びの集大成が披露されました。チームは農業・AI・バイオなど多様な領域でソリューションを発表しました。個人参加者のピッチテーマは、研究分野の広さを反映しており、次のような多様なアイデアが並びました。

ファイナルピッチの様子

最終ピッチの様子。シンガポールのスタートアップ拠点でプレゼンテーション

プログラムを終えて

参加者の事後アンケートでは非常に高い満足度に加えて、プログラム終了後もアイデアを継続して発展させたいという参加者が9割以上と、本プログラムの目的であったリアルなアントレプレナー体験を通して「Beyond the Lab. Into the World.」のきっかけを提供することができたと感じています。

2027年も本プログラムは継続します。今後のアップデートを乞うご期待ください!